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イヌワシの狩場とは?

 秋田市の事務所から羽後町に帰る途中、「NHK・ラジオ夕刊」にチャンネルを合わせたら、山形県側の鳥海山にイヌワシの狩場を造っているいる話題が紹介されていました。

 国の天然記念物で絶滅種に指定されているイヌワシは、ダム開発や森林の伐採によって生育範囲が狭められていることは知っていましたが、その原因の中に餌になる野ウサギ等の小動物が少なくなっていること。人工林が増えて餌をとる場所がなくなっていることには気付きませんでした。イヌワシは羽を広げると2メートルにもなる日本最大の鳥であるため、鳥海山の南側では植林された杉が大きくなり、餌を求めて林の中を自由に飛べないというのです。

 そこで、イヌワシを守ろうという有志が立ち上がり、斜面の杉林の間伐を関係機関に要請しました。20メートルの幅でスジ状に間伐する(虎刈りみたいです)ことにより、イヌワシが餌を探して舞い降り、飛び立てる空間を作ったのです。結果、間伐後にはまず草が生え、やがて広葉樹が芽を出し、それを餌にする野ウサギが増えてきたといいます。当然、今ではそこを狩場として上空を舞うイヌワシが確認できるそうですから、今後が楽しみです。

 山形放送局のレポーターは、「こうした取り組みは、10年程前から秋田県などで実践されている」とも述べていました。灯台下暗し、私は今日まで知りませんでした。中山間地に住む私にとって、植林といえば山の斜面いっぱいに密植して、生育に合わせて間伐するものと思っていましたが(農業高校ではそう教えられたような気がします)、自然界の生態系に配慮した方法もとられていたとすれば、脱帽です。

 「人間は地球の寄生虫だ」と言ったのは横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生でしたが、あらためて「私たちにできることはたくさんある」と考えさせられました。自然の摂理・原則を尊重しなければ、結局、人間社会に反動がくるのでしょう。このところ、我が家の周囲にカエルの鳴き声(少々うるさいほどですが)や乱舞する蛍の姿が増えてきたことを素直に喜びたいと思いながら、気持ちも晴れやかにハンドルを握って帰宅しました。

by shouichiro_sato | 2006-07-26 21:27 | 社会・話題 | Comments(0)  

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