佐藤信淵大人生誕祭
2006年 06月 15日
午前11時。千秋公園を吹きぬける風の音を聞きながら、厳粛かつ優雅に祭事は進み、日本の伝統美である華道による「献華の儀(松生派・根本柳月氏)」も行われました。そして午後からの直来では、元県立博物館副館長の加藤民夫先生から「佐藤信淵の教育理念」についてのミニ講話がありました。
お話によると、佐藤信淵が秋田藩の人材育成について批判した文書が興味をそそります。文化9年の「奉呈松塘疋田君封事」では、秋田の閉鎖的な気風を鋭く指摘し、藩首脳部の中心である家老疋田定綱の失政を批判しています。即ち、「第一は藩主の側近は私利私欲に走り、第二は国の利害をわきまえず、眼前の小利にのみとらわれ、第三は役人は派閥闘争に終始しており、統一ある施策が行えない。これらの原因は学館の人材育成に欠陥があるからと思われる(略)」 「秋田藩は名家の意識が強く、無益な所に財用を費やし、国政の根源の改革に手をつけないで姑息な手段で日々を送っている(略)」
今でも「ハッ」とするような鋭い観察と分析です。時代はどのように変わろうとも、神様として祀られる大人の教えは不変です。深緑の公園を散策し、清々しい気持ちで家路につきました。
by shouichiro_sato | 2006-06-15 23:04 | 今日の出来事 | Comments(0)