「一隅を照らす」気持ちで
2006年 05月 24日
しかしながら当地域でも少子高齢化の影響は大きく、10数年前から村社「唐松神社」の祭典では子供や青年有志による恵比寿俵の奉納が途絶え、一昨年には地域の拠点だった上到米小学校が統合のために閉校するなど、明るい話題が少なくなっていました。それでも振興会の呼びかけで、春の道路クリーンアップや河川の草刈、峠の花壇整備、住民運動会、町政懇談会などを実施して地域の環境整備とコミュニテイの醸成に努めてきました。
今年の総会での話題は「住民運動会をどうする?」。小学校があった頃には用具の準備や進行でも先生方の協力でスムーズでしたが、昨年は初めて住民だけで企画・運営しましたので、今年も実施できるか心配でした。実際、役場支所が廃止された昨年は、「支所の職員がいなければ準備は無理だ」として、地区の総会で採決をし、伝統ある運動会を中止した町内もありました。しかしその心配は上到米では杞憂でした。
「年に1回しかない集いの場。ムラの老若男女が一同になる機会は運動会しかない」「ムラに住む嫁さんの顔を見るのも、ムラの子供たちと接するのも運動会しかないのでは?」「無理をせず、半日のプログラムでも十分楽しめる。その後の反省会も楽しいものだ」など、地域のコミュニケーションを大切にしていこうという声ばかり。そういえば4月30日の早朝、地域に通じる3箇所の峠のクリーンアップにもほぼ全戸からの参加がありましたし、来月に予定されている河川の草刈についても、各集落ごとに準備が進んでいますから、ムラの連帯感は健在です。
それでも、課題は盛り沢山。「携帯電話のアンテナ鉄塔は完成したが通話の目途が立たない」「旧小学校校舎を福祉施設や集会所に改修する計画はあるが着工時期は未定」「山間部ゆえにテレビは共同受信設備だがデジタル放送は見れるか」と、総会後の懇親会では話題は尽きません。25年前に初めて選挙に立候補して以来、私は振興会の応援団でしたが、無役になった昨年春、「今度はムラにかかわってもらいたい」といわれて会長に就任したもの、まだまだ地元では半人前。ビールを飲みながら役員の皆さんと意見交換し、改めて、そこに住む人達の視点で、「過疎地であっても一隅を照らす」ために頑張っていきたいと決意しました。
by shouichiro_sato | 2006-05-24 14:23 | 地域活動 | Comments(0)