正直者が馬鹿を見ないように
2006年 05月 16日
こうした事態に黒瀬喜多村長は、「認定農業者の取り消し手続きを粛々と進める」として、当初計画の変更は農地の取得資金である農林漁業金融公庫の農業経営基盤強化資金(通称・スーパーL資金)を借りることができる条件に合致しないとしています。一方、涌井氏は「取り消しの決定があれば村を相手に撤回を求める訴訟を起こす」と応戦の構えですが、私は黒瀬村長の判断を支持します。いくら時代を先取りしている有能な経営者の一人であり、県内の所得番付の上位の常連でも、ルールを逸脱した行為は納得できません。米産県として、米の価格安定のために多くの農家が協力し、需給調整に参加している状況からしても、これ以上の「わがまま」を許してはいけないと考えます。
これについて、寺田知事は15日の記者会見で、「(村長と涌井氏の)両方に問題がある」と指摘していますが、これも問題です。県は12億円もの農地取得資金を審査した村の審査会に参加しておりながら、昨年以来の対応は村まかせの感じが否めません。涌井氏は寺田知事の強力な支持者であり、黒瀬村長の後援会長でもあります。さらに、畑地を水田として利用するための土木工事には寺田知事が以前に社長を務めた建設業者も関わっていたようですから、ここは3人で忌憚のない話し合いをして、農業県の県民が納得するように解決するべきです。
このところ、新しい農政への対応を指導するため、「あぜ道ミーテング」で県内の集落を訪問している寺田知事ですが、一番最初に行くべきところは大潟村の田植えの現場ではなかったですか?
「正直者が馬鹿を見ないように」しないと、政治への信頼はすぐに崩壊してしまいます。
by shouichiro_sato | 2006-05-16 16:45 | 秋田県 | Comments(0)