農産物の輸出
2012年 10月 11日
尖閣諸島の国有化を巡って日中関係が悪化し、台湾からも多くの漁船が尖閣諸島の領海を侵犯した出来事があったことから、先行きを心配していましたが、台湾の対応は中国とは相当違いがあるようです。
台湾の漁船の抗議行動は、(中国で事業を展開している)台湾の大手企業経営者がスポンサーとなり、燃料費や手当を支払って行われたもので、「国内の親日関係に変化はないし、日本製品のボイコットもない」とのこと。ホッとしました。むしろ、日本から進出した現地の企業が製造している中国の製品を、日本に輸出する場合の手続きに時間がかかるようなので、その品物を扱っているわれわれも、在庫調整をしながら早めの対応をしていると、実情を紹介してくれました。
この卸売業者の場合は自社が経営している複数のスーパーマーケットで日本の食料品を販売していますが、最近は全国各地から「県産品フェア」の開催依頼があるとか。来月には宮城県や長野県などの予定が組まれており、県知事や生産者団体の幹部がPRに来ると話していました。ただし、どこの場合も主品目は「コメ」と「お酒」であり、輸出に関しても日本国内の産地間競争が激しくなっているようです。
尚、中国への農産物や加工食品の輸出協議については、尖閣問題があってからはストップしたままで、商談会が直前になって中止されるなど、進展がありません。せっかく築いて来たネットワークが、こうした問題で切断されてしまうとすれば、リスクが大き過ぎます。台湾の関係者も「中国にはそうした特殊な国内事情や問題があり、相当な信頼関係で結ばれた相手でなければ、心配です」と話していました。
by shouichiro_sato | 2012-10-11 23:21 | 産業振興 | Comments(0)