泥縄的な対応
2012年 02月 28日
菅直人前首相や官邸で対応に当たった政治家や専門家、約300人から事情聴取し、その状況を具体的に検証しています。尚、東京電力は事故収束を優先させるとして、聴取には応じていません。
その要旨は---- ① マニュアルなどでの甘い想定が混乱の起因の一つになった。官邸の政治家は対策の枠組みについて基礎的な認識を欠いたまま、泥縄式な対応に追われていた。
② 官邸中枢メンバーは事故現場の様子をタイムリーに把握できず、東電及び原子力保安院に強い不信感を抱いた。
③ 菅首相の行動力と決断力が頼りになったとの評価があるが、その個性が混乱や摩擦の原因になったとの見方もある。
④ 放射性物質の飛散についてSPEEDI(予測ネットワークシステム)の試算結果を活かせなかった。
さらに、2008年までに少なくとも2回、米国原子力規制委員会が原発の防護を厚くするよう示していたが、対策は取られていなかったとして、「規制当局の重大な不作為」があると批判しています。
関係する会議の議事録もなく、事故対応の検証が正しく行われるのか心配でしたが、米国での資料や報告書が公開されたり、関係者の証言等でようやくその実態が(少しづつですが)明らかになってきました。
by shouichiro_sato | 2012-02-28 20:59 | 事件・事故 | Comments(0)