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想定外

 「想定外」という言葉に終始した福島第一原発の事故でしたが、きょう公表された政府の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大学名誉教授)の中間報告では、津波対策や事故後の東京電力と国の対応を厳しく批判しています。

 それによると、電源喪失時に原子炉の冷却を担う一部の装置について認識不足や操作の不手際があったこと。首相官邸と原子力安全・保安院、東京電力の間で情報の共有や伝達が不十分だったこと。津波の規模が想定外だったという、事故対応の甘さを厳しく指摘しています。

 「問題の多くは①津波による過酷事故対策の欠如②複合災害という視点の欠如③全体像を見る視点の欠如---が影響している。いったん事故が起きると重大な被害を生じる恐れのある巨大システムの災害対策は、考え方の枠組みの転換が求められている」
 
「事故後、関係者から『想定外の事故が起こった』との発言が相次いだが、どんなに発生確率が低い事象であっても『あり得ることは起こり得る』と考えるべきである」
 

 中間報告ではこのようにまとめていました。

 最終報告が提出されるのは来年夏のことですが、避難指示や情報公開の意思決定に遅れや隠蔽はなかったのか。菅首相や関係閣僚など、政権の中枢にいた政治家の言動はどうだったのか。判断の間違いが被害を拡大したことも予想され、さらなる調査が必要です。

by shouichiro_sato | 2011-12-26 21:16 | 事件・事故 | Comments(0)  

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