農業再生
2011年 10月 23日
国際競争力の弱い水田農業については、現在の規模の約10倍となる平地で20~30ha、中山間地などでは10~20haに拡げることや、1次産品の付加価値を高める「6次産業化」の推進を掲げています。そうした政策で、安い海外の農産物が入ってきても競争ができ、自給率(カロリーベース)も現在の39%から50%に引上げる―――、としています。
しかし、どのような政策で推進するのか具体策は見当たらず、現実離れした「構想」の域を出ていません。コメの生産調整が強化されて耕作放棄地が増え、就農者の減少と高齢化が著しい中で、ますます生産力が低下するばかり。これでコメなどにかかる関税が撤廃されれば、さらに水田農業の衰退に拍車がかかることでしょう。
コメの市場開放が決まった平成5年のウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)では、当時の細川政権が国内農業対策として6兆円もの政策経費を投じましたが、その後も自給率は低下するばかりでした。
どうすれば農業の構造改善ができるのか。まだまだ議論が足りません。
by shouichiro_sato | 2011-10-23 23:45 | 産業振興 | Comments(0)