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不正転用

 秋田県は先月30日、昨年産の米粉用コメなど334トンを主食用に売ったとして、秋田市の米穀集荷業者に食糧法に基づく業務改善を勧告をしました。

 同店は昨年秋、県内の農家から米粉用コメ268トン(約4500俵)、加工用コメ201トン(約3350俵)を集荷し、このうち米粉用は253トン(約4200俵)、加工用は81トン(約1350俵)を主食用米として県内外の卸業者に販売。米粉や加工用として販売したのは集荷量の4分の1、122トンだけでした。

 米粉用や加工用でも県内で栽培されている品種は「あきたこまち」が大半でも、主食用とは価格に大きな開きがありますから、業者は主食用として高値で販売し、3000万円近い差益を得ていたものと推察されます。

 県は同店に残っていた米粉用コメを計画通り販売することや、10月末までに販売状況を報告するように求めていますが、米粉用などを用途以外に販売・使用することを禁じている食糧法がありながら、法的拘束力の無い「勧告」とは生ぬるい対応です。ただし、同店はコメの仕入れ資金を借入に頼っており、資金繰りが苦しかったとか。今年6月には自己破産申請をしていました。

 ところで、店頭には早くも今年産の新米が出回っています。全国的には豊作でありながら、原発事故の影響で取引価格が上昇している今年のコメ。店頭価格が高くなりすぎると消費が鈍る心配もあり、恣意的な価格操作が行われても困ります。混米や偽装表示などがないように、シッカリ監視することが必要です。


 《 追 伸 「誤った表示のおにぎり」 》

 1日に「秋田米キャンペーン」で東京・有楽町駅前で配布された「あきたこまち」のおにぎりに「コシヒカリ100%使用」と表示された包装がされていた問題で、関係者が前日に新聞社などに出向いてPRしたおにぎり100個にも、同じ表示があったことが分かりました。

 駅前で配布されたのは9000個との報道でしたので、中途半端な個数を製造したものだと思っていましたが、精米500㌔を届けているとすれば発注したのは1万個近いと推察されます。さらに、前日に一部を配布しているとすれば、製造月日も1日より前だったのでしょう。

 結局、駅頭でのキャンペーン直前まで、誰もおにぎりの状況を確認していなかったのでした。関係者には猛省を促すとともに、この際、「あきたこまち100%使用」と表示した包装紙を使ったおにぎりをつくり、もう一度、宣伝活動を行いましょう。もちろん費用は広告代理店が負担しなければなりません。

by shouichiro_sato | 2011-10-03 21:10 | 秋田県 | Comments(1)  

Commented by れ投資家広告代理店破産 at 2011-12-04 02:13 x
やはり米の販売も厳しい局面を見受けられました。資金繰りがやはり問題なのですね。ありがとうございました。

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