不正転用
2011年 10月 03日
同店は昨年秋、県内の農家から米粉用コメ268トン(約4500俵)、加工用コメ201トン(約3350俵)を集荷し、このうち米粉用は253トン(約4200俵)、加工用は81トン(約1350俵)を主食用米として県内外の卸業者に販売。米粉や加工用として販売したのは集荷量の4分の1、122トンだけでした。
米粉用や加工用でも県内で栽培されている品種は「あきたこまち」が大半でも、主食用とは価格に大きな開きがありますから、業者は主食用として高値で販売し、3000万円近い差益を得ていたものと推察されます。
県は同店に残っていた米粉用コメを計画通り販売することや、10月末までに販売状況を報告するように求めていますが、米粉用などを用途以外に販売・使用することを禁じている食糧法がありながら、法的拘束力の無い「勧告」とは生ぬるい対応です。ただし、同店はコメの仕入れ資金を借入に頼っており、資金繰りが苦しかったとか。今年6月には自己破産申請をしていました。
ところで、店頭には早くも今年産の新米が出回っています。全国的には豊作でありながら、原発事故の影響で取引価格が上昇している今年のコメ。店頭価格が高くなりすぎると消費が鈍る心配もあり、恣意的な価格操作が行われても困ります。混米や偽装表示などがないように、シッカリ監視することが必要です。
《 追 伸 「誤った表示のおにぎり」 》
1日に「秋田米キャンペーン」で東京・有楽町駅前で配布された「あきたこまち」のおにぎりに「コシヒカリ100%使用」と表示された包装がされていた問題で、関係者が前日に新聞社などに出向いてPRしたおにぎり100個にも、同じ表示があったことが分かりました。
駅前で配布されたのは9000個との報道でしたので、中途半端な個数を製造したものだと思っていましたが、精米500㌔を届けているとすれば発注したのは1万個近いと推察されます。さらに、前日に一部を配布しているとすれば、製造月日も1日より前だったのでしょう。
結局、駅頭でのキャンペーン直前まで、誰もおにぎりの状況を確認していなかったのでした。関係者には猛省を促すとともに、この際、「あきたこまち100%使用」と表示した包装紙を使ったおにぎりをつくり、もう一度、宣伝活動を行いましょう。もちろん費用は広告代理店が負担しなければなりません。
by shouichiro_sato | 2011-10-03 21:10 | 秋田県 | Comments(1)