宮崎牛
2010年 05月 16日
同事業団は黒毛和牛の優れた肉質を追及することを目的として、1973年に発足。ここから提供された人工授精用の精液ストローが、宮崎県を「肉用牛の飼育頭数が全国3位」という大産地に押し上げる力となり、知る人ぞ知る全国屈指のブランドになったのです。
同事業団のある近隣の町で口蹄疫が発生したために危機感をもった県や畜産関係者は、特に優秀な精液を採取している種雄牛6頭を隔離するため、国に対して移動が禁止されている牛への特例措置を依頼し、13日に実施したばかりでした。しかし、同所でも口蹄疫が発生したことから、今後は一週間にわたって6頭の遺伝子検査を継続し、「経過観察」をしていく方針です。
種雄牛を選抜するには膨大な時間と費用がかかります。宮崎県では県内で飼育される10万頭から選んだ350頭の雌牛に、主力として評価の高い種雄牛の精液を人工授精し、生まれた雄から23頭を選んで数ヶ月間飼育。発育状況を勘案して9頭に絞り込み、さらに試験交配。生まれた子牛の肉質などを見極めた後に種雄牛としてデビューさせるため、「エース級」の育成には10年も要するとか。
そうした宮崎牛の明日を担うべき拠点でも殺処分が行われるとは・・・・。不安や絶望、疲労困憊している農家と関係者の皆さん、殺処分が行われている壮絶な現場の状況を想像すると、書く言葉も見つかりません。今はただ、一日も早い伝染病の終息を祈るばかりです。
by shouichiro_sato | 2010-05-16 22:45 | 産業振興 | Comments(0)