事業目的
2010年 03月 26日
「衰退する一方の中心市街地に賑わいを取り戻し、街の活性化を図りたい」「大型の商業モールや公共施設を誘致し、賑わいの拠点としたい」として、ハコ物(施設)や新しい交通システムを導入して、秋田駅西から大町にかけての一帯を整備する計画の核となるのが、日赤・婦人会館跡地再開発。その目的を達成するには、どのような施設(街づくりプラン)が望ましいのかという議論が、やっぱり中途半端でした。
県や市当局は今の計画がベストで、これ以外は考えられない。にぎわいの創出は一刻の猶予も許されない、今やらなければ当分の間は無理になる、という姿勢を変えていません。会期を延長して審議中の県議会でも、可否の鍵を握る最大会派の自民党は、プロジェクトチームを作って事業内容を検討していますが、焦点は「補償費などの見積単価は適正か」「事業費の削減は出来ないか」「特定業務代行者の選定は適切か」「事業の透明性を確保するため、第三者機関を設置してチェックせよ」といった、賛成するための?条件を模索している様子で、現計画の内容を心配している県民の意識とは、チョッとズレている感じです。
そんな中で、25日に開かれた県議会予算特別委員会建設交通分科会(柴田正敏会長)では、芸術分野の有識者である石川好氏(酒田市美術館長)や秋田拠点センター・アルベテナント会会長の上田良司氏、それに周辺の商店関係者として仲小路振興会と広小路商店街振興組合の代表2名を参考人として招き、事業に対する意見を聞いています。
参考人からは「このまま進めれば後悔することになる」「立ち止まって議論すべきだ」という、現計画に対する批判が続出したとのこと。事業計画の内容と経緯を見れば、もっともな指摘です。このままでは地権者などへの補償と建築工事を行う業者にだけメリットがあるようで、それが目的になってきたような思いを禁じ得ません。「今さら何を言うのか」という意見もありますが、(トップが)建設するハコ物を最初に決め、担当部署がその理由付けに必死になっている姿勢は、(ここまでくると)傍から見ていて滑稽です。
ただし、秋田市議会は24日に関連予算を盛り込んだ2010年度一般会計当初予算案を可決し、計画の推進にゴーサインを出しました。市議会での議論は県議会ほど聞こえてきませんでしたが、県議会はどう判断するのか。議員各位の賛否とともに、その判断理由にも注目したいものです。
by shouichiro_sato | 2010-03-26 22:27 | 秋田市中央街区 | Comments(0)