グループホーム火災
2010年 03月 15日
グループホームは共同生活や家族的な雰囲気のなかで介護サービスを提供するため、新築の施設と共に、一般の民家や既存施設を改修して利用するケースが多くみられます。そのため、国が示す施設の設置基準も建物面積や入所定員によって違いがあり、「みらいとんでん」の場合はスプリンクラーの設置義務(床面積275平方m以上に摘要)もなく、夜間の職員も一人だけでした。しかし、避難訓練などの消防法に基づく計画は提出されておらず、消防署から指導を受けていました。
当然、消防計画の未提出や管理体制の在り方についての責任が追及される事態ですが、グループホームの設置基準も実際の利用者の状況と乖離していることが、改めて明らかになりました。
利用者は認知症などを患っていること、介助がなければ日常生活も困難な人が多いことを考えると、小規模な施設でも各部屋毎にスプリンクラーの設置が必要です。緊急時を想定すると夜間の一人勤務も問題でしょう。「みらいとんでん」では女性介護士(ノドに火傷を負って入院中)がおむつ交換中に火事に気がつき、消化器で初期消火したものの火勢は広がり、入所者を救助することが出来なかったとか。こうした状況の施設は全国に10000ヶ所以上あるとのことで、早急に対策が必要です。
施設(設備)の設置基準の見直しと整備への支援、人員配置の充実を図るための介護報酬の見直しなどについての検討を急ぐ必要があります。と同時に、この悲劇を繰り返さないために、事業者はいま一度「施設の安全管理」について、徹底したチェックをしてください。介護ビジネスとして利益を求める経営が優先されていないか、点検されることを望みます。
by shouichiro_sato | 2010-03-15 23:42 | 社会・話題 | Comments(0)