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当初予算

 県はきょう、県議会に一般会計で総額6281億1300万円の2010年度当初予算案を内示しました。(09年度比213億円、3.5%増で)2年連続で前年度を上回る予算です。

 昨年4月に就任した佐竹知事が、県政運営の新たな指針とする「ふるさと秋田元気創造プラン」を具体化する初年度で、少子化対策や新エネルギー関連の産業の創出、食・農・観光が一体となった秋田の売り出しなど、重点施策に「佐竹カラー」を打ち出しています。

 ただ、歳入をみると景気の低迷で県税収入は786億円と過去10年間で最低。基金から51億円を取り崩し、985億円の県債を発行して財源を確保しています。このため10年度末の県債残高見込みが過去最高の1兆2818億円になるなど、財政の状況は厳しさを増しています。

 2月定例県議会は16日に招集され、予算審議が始まります。新しい政策に対する期待が高まる中で、焦点となるのはやっぱり「県立美術館」の建設問題でしょう。秋田市の日赤・県婦人会館跡地の再開発計画で、にぎわいづくりの核として県が取り組む平野政吉美術館の移転・新築に関する予算が計上されており、議会がゴーサインを出すのか、気になります。

 何故ならば、計画策定時からすると中心市街地を取りまく環境が大きく変わってきたこと。駅前にあるイトーヨーカドーの撤退や大町の秋田ニューシティービルの解体など、中心部の地盤沈下が著しい。さらには土地価格の下落で県の負担が9億円も増えることになり、それならば現在の美術館を壊す必要はない。むしろ藤田画伯の提案を取り入れている貴重なデザインで、芸術的な価値も高い――――という声が日増しに強くなっているのです。

 佐竹知事は秋田市長時代からこの開発計画に関わっており、予定通りに事業を進める方針を変えていませんが、このままでは県住宅供給公社の南ヶ丘ニュータウン問題と同じ轍を踏むことになりかねません。

 思い切って計画を白紙に戻し、医療や生命(いのち)の拠点とする新たな構想に転換することが出来ないか。議会での議論を注目しています。


 《 参考 》 国の2010年度一般会計予算は総額で92兆円を越え、過去最高の規模。それに比較して秋田県は、01年度では一般会計当初予算は総額で7564億円だったものの、その後は減額が続き、10年度は01年の83%の規模となる6281億円。地方分権や地方の振興・自立が叫ばれてきましたが、地方への財源委譲が少ない「三位一体改革」と地方経済の疲弊が、県財政に大きく影響しています。

by shouichiro_sato | 2010-02-09 21:58 | 秋田県 | Comments(0)  

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