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医療の確保

 夕方のABS秋田放送のニュースでは、昨夜行われた北秋田市立米内沢病院の団体交渉とJA秋田厚生連湖東総合病院の問題が報道されていました。どちらも地域の医療を担ってきた重要な病院でありながら、医師不足や累積赤字をかかえる経営の問題で、存続の岐路に立たされています。

 北秋田市では5年前の4町合併を機会に、旧町内にあった厚生連北秋中央病院や町立阿仁・公立米内沢の両病院を再編し、厚生連に管理委託する公設民営方式で、総事業費90億円以上を投じて320床規模の北秋田市民病院の建設に着手しました。しかし、厚生連と経営に関する事前協議が難航した上、計画した医師数の確保が困難になり、開院予定を昨年10月から今年の4月に延期。病床も170床程度に縮小される模様です。

 再編計画では阿仁病院は入院のできない無床診療所になり、米内沢病院は広大な面積を持つ同市南部の事情から存続される予定でした。しかしここにきて、津谷永光市長は財政的な観点から同病院の一般病床を4月から廃止し、残る療養病床(60床)も来年度末で廃止する方針を示しています。

 昨夜は病院管理者である市長と米内沢病院労働組合との2回目の団体交渉が行われましたが、決裂しています。市では勧奨退職を募り、来年度末には残っている全職員を解雇する方針ですから、大変な事態。新しい病院に対する期待がある一方で、多くの市民にとっては病院がさらに遠くなり、(郊外に建設されたことで)通院手段も不自由になるようでは、困ったものです。

 一方、湖東総合病院は厚生連が経営上の問題から「廃止がもっとも有効な選択肢」と発表したことで、地域には動揺が広がっています。きょうは半月余りで集めた2万7千人以上の署名を持って、関係町村長や住民が県庁を訪れ、佐竹知事に「病院の早期移転改築と医師の確保」を求めました。

 佐竹知事は「病院の存続は約束する」としたものの、医師の確保や病院の診療態勢をどうするかが課題だと述べました。出来るだけ早く計画を策定し、地域住民の命と安心を守ってほしいものです。

 人口減少と過疎化が進み、日本一の高齢社会になっている秋田県の実態を考えると、地域の拠点になる病院と診療所、療養や介護型の施設等の整備について、総合的な県全体の計画が必要です。これは当該自治体はもとより県民の医療を確保する県の仕事ですから、(地域の問題にせず)早急に処方箋を書いてください、佐竹さん。

by shouichiro_sato | 2010-02-04 23:15 | 秋田県 | Comments(0)  

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