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日本航空

 経営再建問題で揺れる日本航空。来週にも会社更生法の申請と企業再生支援機構による再建を目指しますが、株式の上場廃止方針が報道されてからは売り注文が殺到。膨大な株券は紙くずになりそうです。

 同機構がまとめた事業再生計画案では、今後の3年間でグループ会社を含む人員の3割にあたる1万5700人を削減。子会社も110社から57社にし、燃費効率の悪いジャンボ機37機も退役させ、低収益路線の減便や運休も行われます。さらに、金融機関へは3600億円余の債権カットを求めています。

 日本航空といえばナショナル・フラッグ(でした)。日本と外国を結ぶ世界の翼のイメージを持っていましたが、1985年8月に発生した日航ジャンボ機墜落事故以来、表面化した内紛や旧態依然の経営体質が改善されてこなかった模様です。山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」そのもので、経営破綻という最悪の状態になるまで問題を先送りしてきた、経営陣や監督官庁の責任は重大です。

 もっとも、航空会社の問題ばかりではありません。全国にある地方空港では1日に2~3便しか飛んでいない空港も多くあり、維持管理の費用も莫大です。景気の低迷や高速交通手段の多様化で利用者の減少も続いており、地方空港の運用と再編も新たな課題になってきました。

 拡充が進みハブ化を目指す羽田空港と、日本の玄関口である成田空港の機能分担。低価格を売り物にする航空会社の路線開設やサービスの見直しなど、航空行政もまた大きな転換期にあります。日本航空の再建を機会に英知を結集し、日本の空の再構築が必要です。 

by shouichiro_sato | 2010-01-14 23:50 | 社会・話題 | Comments(0)  

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