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平野政吉美術館

 東京文化財研究所の近・現代視覚芸術研究室長、山梨絵美子さん(秋田市出身)のギャラリートーク「平野政吉コレクションの魅力について」がきょう開催され、久しぶりに秋田市千秋公園にある平野政吉美術館に出かけました。

平野政吉美術館_f0081443_20463339.jpg 同美術館は秋田市の資産家・平野政吉が蒐集した美術品を公開するために1967年(昭和42年)に設立されましたが、最大の魅力はパリを中心に活躍した藤田嗣治の代表作が展示されていること。特に1937年に平野家の米蔵で描いた世界最大の壁画、「秋田の行事」(365×2050)は圧巻です。

 (写真・美術館入口。館内は撮影禁止)

 「秋田の行事」が常設展示されている大ホールは平野氏と藤田画伯の意向を汲んで設計され、天井のデザインや色調も素晴らしいものでした。平成の時代になってから内装もリニューアルされており、移転改築しなければならないほど老朽化した建造物には思われません。しかし今、秋田市中心市街地の再開発計画により、日赤・婦人会館跡地への建設計画が進められています。。

 課題があるとすれば、最新の耐震補強工事やエレベーター設置などを行い、施設の機能を充実することで、さらに魅力あふれる美術館になります。千秋公園の緑豊かな環境にあり、アトリオンにある美術館とは趣が全く違います。山梨さんのお話を聞きながら、この美術館には平野氏や藤田画伯の思いが詰まっているようで、ますます好きになりました。

 無駄を排除する「事業仕分け」の手法でみると、多額な費用を掛けて移転改築するより、「施設や展示作品の充実にお金をかけた方がいい」という思いを強くして、家路につきました。

by shouichiro_sato | 2009-11-28 20:43 | 秋田県 | Comments(1)

 

Commented by 県立美術館移転問題 at 2010-02-20 23:51
ブログ本文で書かれているように、パリで名を馳せた藤田嗣治が書いた巨大な壁画「秋田の行事」の収蔵場所は現美術館に展示してこそ意味が有ると思います。
藤田嗣治の作品収蔵数で日本屈指を誇る現美術館。
この場所に収蔵されていてこそ価値が有ると思います。移転は動き出していますが、未だ決定はしていません。
日赤跡地開発の商業施設の議論もいまだに揉めているようです。
秋田県議会でも反対意見もあるようです。
なんとしても美術館移転を阻止しましょう。
今開催中の秋田県議会が山場だと思います。
上の 県立美術館移転問題  をクリックしてください。
関係するウェブサイトの資料が載っているページです。
ジャンプしない場合のURLは次のとおりです。ttp://happytime.quu.cc/kenritsubijutsukan/01.html

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