JA再編
2009年 11月 25日
全県で進められたJAの広域合併から10年が過ぎたものの、農業の衰退が農家のJA離れを加速し、「経営規模の拡大と財務基盤の安定を図らなければ、将来にわたってJAを磐石な組織にすることはできない」という判断です。
確かに、組合員の減少と出資金の目減り、事業の3本柱である信用、共済、購買事業の収入減が著しく、職員の縮小や不採算部門の廃止などによる経営管理費の削減を進めても、今後の展望は開けず、(まさか、こうなるとは)苦渋の選択にほかなりません。
しかし、農家の相互扶助組織である農協の原点を思うと、大規模化することで金融機関や保険会社、民間の農業関連資材会社と何ら変わらない存在になりそうで、心配です。その上、地域の特色ある生産(営農・技術指導)、販売を展開してきた農産物が生き残れるのか。「市場原理主義」の見直しが叫ばれている中で、さらに組織が大型化することへの懸念もあります。
JA秋田中央会は今後3年間で5JAへの再編を進めることになり、組合員との具体的な協議はこれから。「このままでは、やっていけない」ではなく、「新しいJAを創る」という意気込みで、農家の意見を十分に吸収してほしいと思います。
ただ、鷹巣町(北秋田市)、大潟村、おものがわ(横手市)、うご(羽後町)の各JAは、先の広域合併に参加せず、単独か近隣JAの合併で誕生した組織であり、経営的にも頑張っているJAです。こうしたJAの経営努力が活かされるものになるのか。私も一組合員として、合併計画を精査してみたいと思います。
by shouichiro_sato | 2009-11-25 23:26 | 産業振興 | Comments(0)