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看板倒れ?

 「無駄を削除すれば、マニフェストにある政策の財源は確保できる」と主張していた鳩山首相でしたが、どうも看板倒れになりそうな感じがしてきました。

 来年度の予算編成方針がしっかりしていれば、前政権を上回る概算要求はなかったはずなのに、実際の編成作業は混迷を深めそうです。事業仕分けによる事業の見直しにしても、作業を公開することで国民の関心を惹いているものの、仕分け結果については拘束力もなく、いわば「予算編成の参考意見」。仕分け人の構成や権限についても、法的根拠のないものでした。

 一部の特殊法人から積立金を国庫に返納させる判断をしたり、事業の廃止や予算の削減を決めたとしても、マニフェストにある政策に必要な財源には届きません。政策の要になる国家戦略室が全く機能していないという批判があるように、「友愛政治」を目指す鳩山政権の具体的な国家戦略・方針が見えてきません。

 (参考・毎日行われている官邸での鳩山首相の「ぶら下がり会見」。きょう夕方の模様を朝日新聞のインターネット版、asahi・comで確認すると、デフレや内閣官房報償費、偽装献金問題でも全くもって発言は不明瞭。首相としての見識?やリーダーシップを感じることができません)

 きょう未明にかけての衆議院本会議では、野党が退席する中で中小企業の借金や住宅ローンの返済猶予を金融機関に促す法案の強行採決が行われ、自民党時代と変わらぬ数の力による「国対政治」が復活した様相ですし、「政治家同士が議論を戦わせる」ことを目指している民主党が、党首討論を拒んでいることもおかしい事です。

 首相の所得隠しや政治団体への偽装献金問題、小沢幹事長の政治団体に絡む資金問題など、かつて批判されていた自民党よりも「カネ」の問題が表面化してきた民主党。その上、国会運営も小沢氏の意向を無視しては「何もできない」ことが露呈しています。意欲満々で国政に参加した新人議員も選挙優先の議員活動で、国会では「数合わせ」の一員?。たぶん、主張してきたことと現実の矛盾に悩んでいることでしょう。

 結局、「自民党と変わらない」ようでは何のための政権交代だったのか。前政権のアラ探しをする前に、鳩山政権は「官房機密費の内容を公開する」ぐらいの決断が必要です。でなければ、(野党時代とはいえ)「政権交代が可能な二大政党時代をつくる」などと綺麗ごとを言うべきではありませんでしたネ。 

by shouichiro_sato | 2009-11-20 23:06 | 国政・時事 | Comments(0)

 

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