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事業仕分け

 国の新年度予算概算要求に「無駄な事業はないか」と切り込む事業仕分けの作業が、政府の行政刷新会議が任命した民主党の国会議員と有識者によって、昨日から始まりました。同会議が決めた447事業の仕分け対象リストに対して、概ね1時間の持ち時間で省庁側から意見聴取し、事業を「継続」「見直し(縮小)」「地方に移管」「廃止」に分類するものです。

 こうした作業を通じて過去最高の95兆円にも膨れ上がった概算要求を査定し、マニフェストにある子ども手当の支給などに必要な財源を確保するのが新政権の狙いです。ただし、2日間の結果を見る限りでは「トカゲのシッポ斬り」のようで、特別会計や独立行政法人への抜本的な対策がはっきりしていない分、実際はどこまで「大改革」ができるか、先行きは分かりません。

 確かに公開で行われている作業は、国民にとっても今まで経験したことのないことであり、省庁の説明に「バッサ、バッサ」と切り込む議論の展開に、思わず拍手喝采をしたい気持にもなります。天下り法人への無駄な支出は徹底して廃止するべきですし、行政コストを縮減することも大賛成。本来はこうした問題について国会でしっかり精査するべきですが、長年続いてきた自民党政権は「政官癒着」と批判されるように、メスを入れることができませんでしたから、当然でしょう。

 行政刷新会議は12月初旬まで事業仕分けの最終報告をまとめ、政府は年内の予算案決定を目指しています。この過程では特に、「地方に移管」とした国土交通省の「まちづくり」や「下水道」などの事業について、それに見合った財源をどのような手法で地方に移すのか。国と地方の財源配分についての制度改正も必要であり、鳩山政権の実行力が試されます。

 政治は全て結果責任。過程のパフォーマンスは一時的な話題にはなっても、結果に国民の理解が得られなければなりません。「政治主導」といいながら、事業仕分けの素材(原案)を財務官僚が準備し、仕分けチームの議員の背後にチラついているのも、チョッと気になります。

 仕分け作業で一番喜んでいるのは財務省主計局ではないか――などと感じていますが、杞憂でありますように。

by shouichiro_sato | 2009-11-12 22:52 | 国政・時事 | Comments(0)  

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