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大学生

 「不況や人口減少が続く中、私たちの生活や労働はどのように変わっていけば一人ひとりが充実した暮らしを送ることができるのでしょうか」という呼びかけに興味をもち、きょうの午後、秋田県南部男女共同参画センターが主催したセミナーに参加してきました。

 「毎年、多くの学生が大学を去っていきます。彼らに共通するのは子ども時代、家庭に父親の姿が見えないことです」と語る群馬県立女子大学教授・佐々木尚毅さん(大館市出身)の講演とトークセッションを通して、ライフ・ワーク・バランスについて考える企画です。

 佐々木教授の主張したいことは――――
  ① 人間は、歳をとるだけでは大人にならない
  ② 子どもは「周囲の意味ある大人の言動」によって育つ
  ③ 父親は、もっと子育てにかかわれ
  ④ 男女共同参画が家庭を作り、地域を創り、子どもを育てる
  ⑤ ムラ(村落共同体)が子どもを大人にする

 知っている大学を例にとると、学生の現状は1~2年生のうちに2割以上がいなくなる(辞める?、来なくなる?)。その学生の8割は男性だという。その背景には貧困化する子どもの社会がある。ヒトは人の中でひとになるし、人間は集団の中で人格を認められ評価されて成長を続けられるのに、都会にはそうした環境が少ない。

 昔は周囲に大人がいたから「親はなくても子は育つ」だったが、現代では主に母親だけが関わる子育てになり、「親だけでは子は育たない」。過保護、過干渉、放任、・・・そして、支配。子どもに指図を繰り返す、カーナビパパやカーナビママがいる。中には、常に子どもの上で旋回していて、何かあれば直ぐレスキューに降下してくる、ヘリコプターママも見かける。

 自分が何をやりたいか分からない。コミュニケーション能力が無い。無責任、無気力、無感動。そうしたことから「ひきこもり」になっている人が、70~120万人もいる。 ―――― 佐々木教授の紹介する大学生の姿にドキッとしながら、改めて家族や地域のつながりの大切さを学びました。

 教授とのトーク参加した横手市の高沖みちるさん(横手南中学校PTA会長)も、帰郷する前の東京暮らしを振り返り、「東京では子ども時代に子どもらしい過ごし方をしていない若者が多い」と話していました。いま一度、ムラの良さを活かして、田舎の良い面を大事にしたいものです。

 不況の今は、経済を最優先にしてやってきた社会の在り方、暮らし方を見直す良い機会でもあります。

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 (写真・講演する佐々木教授。横手市にある秋田県南部男女共同参画センターにて)

by shouichiro_sato | 2009-09-25 23:34 | 社会・話題 | Comments(0)  

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