八ッ場ダム
2009年 09月 23日
民主党は先の衆院選マニフェストで、「ムダづかい、不要不急な事業を根絶する」として、そのトップに川辺川ダム(熊本県)と八ッ場ダムを中止すると説明しています。そのマニフェストが国民の支持を得たのだから、「中止は当然」とばかりに素早く行動開始。前原大臣はきょう、八ッ場ダムの建設予定地を視察し、地元の知事や自治体首長と意見交換。「政策転換」への理解を求めましたが・・・・・。
私も「ムダづかい、不要不急の事業」を無くすのは大賛成ですが、天下の公党がマニフェストに具体的に掲げた事業にしては、地元住民や関係自治体の理解が得られていないことに驚きました。1952年に計画が発表されて以来、水没する住民の激しい反対運動があったものの、その後は住民サイドも計画を受け入れ、94年に着工。既に7割の工事が完成し、今年10月に本体工事に着工して2015年には完成する予定でした。
前原大臣が関係者との事前協議なしに、一方的に「建設中止」を表明したことことで、意見交換会では「地方主権、友愛精神にのっとった行動なのか(群馬県知事)」「脱官僚、政治主導とはこういう手法なのか。あまりにも独裁的だ(東吾妻町長)」との厳しい声がでたとのこと。当然でしょう。
地元の住民団体は「中止を白紙に戻さなければ、話し合いには応じられない」として、意見交換会への出席を拒否していますが、ダムの恩恵を受ける下流域の1都5県も建設続行を求めており、慎重な判断が必要でしょう。
住民や地域と国が約束してすすめられるダムや河川、道路といった公共事業について、政権が変わる度に方針が変わるようでは、「何を信じて」いけばいいのか、住民が一番の被害者になってしまいます。
政権交代によって新規着工を中止し、いま一度、事業の必要性や優先順位の見直しをすることはあるにしても、既に着工されているものについては、是非とも早期の完成を望みたいものです。選挙のたびに特定の事業や地域がターゲットにされるようでは、困ります。
by shouichiro_sato | 2009-09-23 23:40 | 国政・時事 | Comments(0)