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「ギャップフィラー」放送局

「ギャップフィラー」放送局_f0081443_206813.jpg 「ギャップフィラー」放送局とは初めて聞く言葉ですが、地上デジタル放送の難視聴地域に無線方式で電波を送信する小規模な放送局です。山頂に設置した受信設備と有線で接続されたギャプフィラー放送局から、1~2キロ四方をカバーする弱い電波を無線で発信し、各家庭ではアンテナで受信します。ワンセグ放送も視聴可能です。

 (写真・電柱に設置されたギャップフィラー放送局。先端のアンテナから電波を発信するため、一つの放送局とみなされます)

 羽後町の田代・仙道地区は山間部であるために、今までのテレビ受信は各集落ごとに共同アンテナを使用してきましたが、地上デジタル放送へ変わるのを機会に、572世帯が参加して羽後西部地区テレビ共同受信組合(組合長・佐藤藤男さん)を組織し、国と町の補助事業でギャプフィラー放送局の事業に取り組みました。総事業費は1億7000万円。北沢峠の山頂付近で秋田からの電波を受け、有線で地域内に設置した28ヶ所のギャプフィラー放送局に送信し、組合員全世帯での地デジ放送受信が可能になります。

「ギャップフィラー」放送局_f0081443_7432044.jpg 施設の整備は既に終了し、6月24日には東北総合通信局から東北で第1号となるギャプフィラー放送局の開局が許可され、現在は各家庭での専用アンテナ(UHF用)取り付け作業と試験放送が行われています。わが家でも先日、新しいアンテナが設置され、早速きれいな画面のテレビを見ています。(写真・雪にも強いボックス型アンテナ。組合の提案で製品化されたとか・・)

 山間部ゆえのハンディーはありましたが、(平野部からすると3~4年遅れで)ようやく携帯電話やインターネット、地デジ放送など、情報化社会の仲間入りを果たせた感じです。しかし、町内にはまだ不十分な集落もありますので、住む場所による情報格差が無いように、さらに方策を探っていきたいと思います。

 ・・・・・・・その点、衛星放送はいいですネ。

by shouichiro_sato | 2009-07-31 23:32 | 羽後町 | Comments(3)  

Commented by JG7MER / Ackee at 2021-11-22 18:20 x
初コメント致します。ギャップフィラーで検索を掛けた処、一発でこちらへ辿り着きました。羽後町のギャップフィラー計画は小生も以前から耳にしていました。アナログ時代、同地はNHK単独のVHF垂直偏波中継局しかなかった事も知っています。( 総合 4ch、教育 6ch ) デジタル放送に因って、既存のアナログ局の統廃合もありましたし、大変だった事と思います。通常、放送局の送信設備は、先ず現地調査を経てから、監督官庁 ( 総務省の各総合通信局 ) へ予備免許を取得してから、放送設備の建設に着手し、竣工後には電波監視技官立ち合いの元、きちんと法的規則に則っての出力及びサービスエリアに相成っているか確認します。いわば試験電波の発射と成りますね。よって申請内容通りに相違ないと相成れば、正式に免許付与という事に成ります。開局まで暫くの期間がある場合には、いわばサービス放送を経て正式の開局日を以って本放送開始となるのが常道です。しかしギャップフィラーの場合は、地上波放送の内容に手を全く加えないで、放送する事を前提とし、総務省指定の技術適合基準に合格した“技適マーク”の付いた放送設備機器を使用すれば、予備免許や落成検査は不要となり、簡単な免許手続き及び簡易な操作対象にもなるため、無線従事者を置く必要もありません。但し、ギャップフィラーの送信電力は、0.05W即ち50mWが上限とされていて、放送区域は大凡半径1~2㎞がサービスエリアとなります。当然、電波利用料も課税されますが、確か¥400.-だったと思います…。羽後町のギャップフィラー局は全部で28局でしたか…。( 間違って折りましたらすいません )只、このシステムにより有線系のケーブル敷設よりは、格段にコストは低減だと思います。気象状況により、ケーブルの断線事故も起こり得りますし、況してや秋田の様な雪国地域では電線に付着する着雪の問題も回避出来るのが利点ですね。しかも無線共聴方式でアンテナのみを設置すればそれで良しになります。場所によって送信アンテナの位相が水平偏波か垂直偏波のどちらかになりますが…。受信親局だと羽後町は大曲中継局の電波をそのまま受信してのブースター方式だろうと思います。デジタルになったお陰で町民の皆様もこれまでにない鮮明な画質で視聴なされている事でしょうね。長文に相成りまして大変失礼を致しました。(*v _ v*)
Commented by shouichiro_sato at 2021-11-22 20:32
> JG7MER / Ackeeさん

 コメントありがとうございました。お陰様で現在もきれいな映像・音質でテレビ放送を楽しんでおります。当地のような山に囲まれた地域では今まで電波の受信に苦労していましたので、ギャップフィラー方式を採用して良かったと思っておりますが、今後は更に通信技術も進歩するでしょうから、通信格差が生じないように創意工夫をしていきたいと考えております。コメントからして専門的な事情に詳しい方と思いますので、これを機会によろしくご指導ください。
Commented by JG7MER / Ackee at 2021-11-24 16:43 x
こんにちわ。ご丁寧にご返信の旨、ありがとうございます。小生は一応恥ずかしながら、アマチュア無線局のライセンスは所持して折りますが、中学時代から放送波受信は結構マニアでしたね。昔でいうBCLマニアです。当時、ABSラジオの受信には一番苦労しましたね。宮城のTBCラジオは当時、無指向性アンテナで20kwでしたが、ABSラジオの場合は指向性アンテナの5kwで夜の時間帯の聴取は大変でしたね…。今は昔と違って、インターネットラジオ ( radiko ) で鮮明な音質で聴ける世の中になりました。しかもFM補完も始まりましたからね。小生も生まれてから半世紀が経ちましたが、時代の変化に只々驚くばかりですね…。ご丁寧にご返信を頂きまして、ありがとうございました。これからもちょくちょく貴殿のブログへお邪魔をさせて頂きたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。拝 (*v _ v*)

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