レファレンスサービス
2009年 07月 02日
「サクランボの産地といえば山形県」と答える消費者が多い中で、生産量は少なくても味覚では「山形県を超えている」と評価されている三関のサクランボ。独自の栽培方法で大きさや形、糖度も最高のものを生産していると自負していた同所の加敬農園では、JAこまち桜桃部会が主催した研修会で講師を務めた野崎さんに、「是非とも三関サクランボのブランドを作りたい」と相談したことから、野崎さんの県立図書館通いが始まったとか。
県内で角館の「生もろこし」など数々の商品開発に関わってきた野崎さんは、全国に認知されるブランド品をつくるには、品物が圧倒的に優れていること、ファッション性があり安定供給が可能なことが必須条件であると考え、依頼された商品(サクランボ)の歴史や地域のことを図書館で調べたのでした。
一方、加敬農園のオーナー・加藤聖明さんは、太陽の恵みが充分にいきわたるように樹木の間隔を広くしている果樹園の特長を活かして、他の生産者との差別化をはかりたい。三関の名前を全国に広めて「日本一」といわれるようにしたい。若い人たちが意欲的に頑張れる農業にしたい・・・・という情熱で、自慢のサクランボに付加価値をつけようと東奔西走し、野崎さんとの二人三脚で全国で最初となる「サクランボのブランド品」を完成させました。
「完熟朝摘み」 「3L(直径27㎜)以上」 「糖度24度以上」 「透明感のあるテリ」 「色、ビビットレッド」 「玉張り」―――のすべてに極上。品種は人気抜群の「佐藤錦」。栽培の証明書が添付された特別化粧箱入りのサクランボ、「QUEEN BLOOD(クィーンブラッド)」は1箱16粒入りで13,000円、300ケースの限定販売です。同品質ながらやや小ぶりの2Lサイズは「太陽の分け前」で、1㌔1箱で8,000円(いずれも税込み)。私も初めて見る見事なサクランボに、感激してしまいました。

素晴らしい品質のサクランボに商品としての付加価値をつけたデザイナー。その連携の中に県立図書館のレファレンスサービスが活かされていたとは、まさに産学・農商工連携のブランドです。きょう開かれたお披露目パーティーには、県立図書館の石井鈴子館長も来賓として出席しており、野崎さんへのレファレンスサービスの内容について詳しく紹介してくれました。
三関のサクランボは今が収穫の最盛期。早朝4時頃からもぎ取り作業を始め、一日いっぱい出荷作業に追われています。作柄も良く、農家の皆さんも頑張っていますので、是非ともご賞味ください。(もちろん、スーパーなどの店頭ではお買い得価格で販売されています)
by shouichiro_sato | 2009-07-02 21:16 | 産業振興 | Comments(0)