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「天下り」に「お手盛り」

 農林水産、経済産業、総務の3省が所管する社団法人「日本農村情報システム協会」。羽後町でも5年程前、防災無線の国庫補助事業を実施する際、同協会のコンサルを受けて事業認可を得た記憶があります。

 この協会は6億円余の不正支出を行い、負債総額が10億円を超えるとして、今月9日に開いた総会で裁判所に自己破産申請する方針を決定しています。不正に支出した約6億4千万円のお金は、同協会と同じ事務所内に事務所があり、約30人の職員も重なっているという任意団体、「情報システム技術会議」へ防災無線やケーブルテレビを導入する際の設計業務を委託し、契約金に水増して支払ったものでした。

 また、4億4千万円あった基本財産を3省の承認なしに取り崩し、今年3月末現在で6億5千万円余の債務超過に陥っているようです。

 関連する法人に業務委託をしなければならないような、ひも付きの補助事業?については国会で問題になり、農林水産省は今から10年以上前の1997年4月に「(同協会などの)適当なものに業務委託することができる」とした、1991年の同省の構造改善局長名の通達を廃止していますが、今年度も約60の自治体から防災無線などの業務を委託されているということです。私も町長に在職当時、同協会に業務委託するのに疑問は感じていませんでしたから、いまだに「暗黙の条件」は生き残っていたのですネ。

 ところで、きょうの午後に配信されたインターネットの「YOMIURI ON LINE」によると、同協会に天下りしていた(当時の)通産省OBの副会長は、2005年に非常勤理事になるまで年1000万円の給与を受け取る一方、約20年前から今年の3月まで技術会議の理事長職に就き、同会議からも年1200万円を受取っていました。こうした「二つの財布」を持っていたのは他の理事にも複数いたようです。しかし協会側は、役員報酬を含めた詳細をまだ明らかにしていません。

 官僚の天下り先は、2006年の実績で約4600法人。天下った役人の総数は約2万8000人。それにかかる国の支出は12兆6000億円。すべてに問題があるとは思いませんが、日本農村情報システム協会の事例などは、氷山の一角かもしれません。

 国民には程遠い天下りなどの悪しき慣習。国会こそこうした問題の追求・改革に果敢に取り組むべきですが、「国家公務員制度改革関連法案」も棚上げ状態。一体、何をしているんでしょう。せめて、国が関わる法人への天下りに関する給与などの情報は、即急に公開して下さい。

by shouichiro_sato | 2009-06-11 21:58 | 国政・時事 | Comments(0)  

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