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耕作放棄地

 県内では田植も終わり、豊かな水田風景が広がっています。しかし、三分の一以上の水田では生産調整が行われており、大豆やソバなどの播種作業はこれからですが、作物が何も栽培されないと思われる圃場も増えています。

 農林業センサスによる耕作放棄地とは、過去1年以上作付けされず、今後も農家が利用する考えがない田畑や果樹園で、秋田県の場合は2005年で6,789ヘクタール。2000年に比べ、2.6倍になっています。中でも水田では、常に耕作可能な状態で管理されている「自己保全管理水田」が減少し、最近では身近なところでも荒廃していく場所が目立ってきました。
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(写真・昨年に続いて耕作されない、日本海沿岸高速道路「岩城インター」付近の水田)

 限られた土地しか利用できないわが国の農地。食糧自給率を維持・向上させるためにも、国土の保全を図るためにも多面的機能をもつ農地を荒廃させてはいけません。今国会で農地法が改正され企業の農業参入に道が開かれつつありますが、低コストで効率的な経営が優先されるだけでは、中山間地などに多い耕作放棄地の復興は無理でしょう。

 市場原理に任せるばかりでなく生産者の所得保障をしっかり確立することなど、政策の転換が必要です。

by shouichiro_sato | 2009-06-01 23:03 | 産業振興 | Comments(0)  

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