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北秋田市民病院

 北秋田市にある北欧の杜公園の隣接地に建設している「北秋田市民病院」は、10月の開業時に計画の半分しか常勤の医師が確保できず、向こう10ヵ年は赤字が続く見通しであることが分かりました。

 北秋田市には合併前からの厚生連・北秋中央(旧鷹巣町)、公立米内沢総合(旧森吉町)、町立阿仁(旧阿仁町)の3病院があり、これを統合・再編して新病院を建設しているもので、完成後は県厚生連が運営する公設民営方式が取られることになっています。

 しかし、市の説明によると当初計画では常勤医師31人を予定したものの、開業時で確保できるのは非常勤も含めて19人(常勤医は15人)。320床あるベットも2009-10年度は精神科など3病棟を休床し、稼動できるのは154床のみ。その結果、医業収益が減少するために当初から2年間は、毎年3億6000万円の赤字になる。――――新病院の開業を楽しみにしていた市民の皆様にとっては、冷水をかけられたような思いでしょう。29日に開かれた同市の市議会全員協議会でこのことが明らかになると、議会側が反発して再協議を求めたのは当然です。

 全国的に勤務医師が不足している状況が起きている中で、特に秋田県の場合は秋田市に多くの医師が集中しており、地方の公立病院や厚生連病院で常勤医師の欠員が顕著になっています。地方では民間の総合病院が少なく、両者が秋田県民の医療を担ってきていますから、深刻です。

 既存の病院を統合して新しい病院の建設を進めているにもかかわらず、開業時には半分しか機能しないのであれば、市民の皆さんへの背任?です。いま頑張っている医療スタッフや大学(医学部)との連携は充分だったのか。建設に補助金を支出している県は指導や協力をしっかりしているのか・・・・、気になります。

 就任早々、麻生首相へ挨拶に出向いた佐竹知事は「医師不足の解消」を直訴したとの報道がありましたが、県民の医療をこうした拠点病院を核にして充実するマニフェストを掲げた知事は、この実態をどうとらえているのか。事前に内容を把握していたとすれば県当局のコメントがあってしかるべきですし、報告がなかったとしたら担当部局の怠慢です。

 10月の開業まで4ヶ月もありますから、津谷市長と佐竹知事、それに厚生連などの関係機関がさらに努力して市民の皆さんに喜んでもらえるようにしてください。

by shouichiro_sato | 2009-05-30 23:36 | 秋田県 | Comments(0)  

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