男子の本懐?
2009年 05月 11日
民主党の小沢一郎代表はきょう午後5時から緊急の記者会見を開き、代表を辞任することを表明しました。これはその最後に述べた言葉です。(写真・AAB秋田朝日放送の「ニュースステーション」より)
3月に側近の公設秘書が逮捕・起訴されたにもかかわらず、西松建設からの巨額献金事件には「一点のやましいとこもない」と強気だった小沢代表。辞任表明は自らの政治的責任よりも、「挙党一致態勢をより強固にするため」、「総選挙に勝つため」が最大の理由のようです。
確かに、小沢代表への献金問題で民主党への支持率が下落傾向にあり、各種の世論調査でも「小沢さんは辞めるべきだ」という声が60~70%になっていましたから、このまま代表に居座ると国民意識との乖離が進み、総選挙での勝利と政権交代は難しいと判断したのでしょう。
小沢さんには元々、自民党の「金権体質」を象徴する田中角栄・元総理や金丸信・元党副総裁の流れをくみ、表舞台よりも裏で政局を操る独断専行、「剛腕」のイメージがある政治家です。しかし、各地の衆議院議員補欠選挙で勝利し、前回(07年7月)の参議院議員選挙でも大勝したことから民主党内での求心力を高め、同年11月に福田・自民党総理との大連立構想が破綻して辞任騒動となった時も、「代わりはいない」という声に推されて、続投した経緯がありました。それゆえに、国民の政権交代への期待は高まり、首相にふさわしい人でも「麻生さん」を上回っていたのですが、西松建設の問題が発覚してからは、「やっぱり、裏ではゼネコンと癒着しているではないか・・・・」。
ただ、衆議院議員の任期が9月10日で、その前に必ず総選挙が実施されることを考えると、民主党も大きく方向(政策)転換するとは思えません。表面上は代表を変えることで党のイメージアップをはかり、実質的には「選挙は小沢さんに指揮してもらう」ことも予想されます。その点では次の代表にどなたが就任するのか、その場合の小沢氏の役割は・・・、注目です。
小沢さんにとっては「断腸の思い」が、「男子の本懐」となるのか。辞任撤回騒動で見せた涙の記者会見からすると、きょうの表情は何となく「さわやか、穏やか」に見えました。きっと、次の戦略があるのでしょう。
by shouichiro_sato | 2009-05-11 23:19 | 国政・時事 | Comments(0)