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補助金を辞退

 昨年5月に由利本荘市の工業団地に大規模な工場を建設した電子部品大手のTDK(本社・東京)が、県から今年度中に交付される予定だった補助金、20億円の受け取りを辞退していたことが分かりました。

 この補助金は1億円以上の設備投資をし、10人以上を常用雇用する企業に対して、投資額の2割を補助する県の「重点企業導入促進助成制度」。補助対象の投資額が約456億円になっていた同工場の建設には、補助上限となる20億円が交付される予定でした。TDKでは「当社が優遇を受けるより、経済や環境対策など本県が直面している課題の解決に振り向けてほしい」として、昨年夏頃から補助金辞退の意向を伝えていたということです。

 TDKや関連会社も世界的な恐慌の影響で生産調整や休業に追い込まれ、経営環境が急激に悪化している中で、今回の同社の決断には驚くとともに、感激してしまいました。補助金の財源が県単独のお金であるとすれば、20億円という自主財源が確保されたことであり、新たな政策への活用が見込まれます。特に秋田県では、雇用問題や産業振興が喫緊の課題となっているだけに、補正予算の編成も可能になることでしょう。

 自動車や電機業界など日本を代表する大手企業では、内部留保資金がありながら派遣社員の雇い止めや正社員の解雇が続き、企業の経営姿勢が注目されている中で、TDKの補助金辞退は特筆されることです。「地域とともに歩む」企業理念に、今度は県が応えなければなりません。

by shouichiro_sato | 2009-02-19 23:55 | 秋田県 | Comments(0)  

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