茅葺き職人
2009年 01月 05日
実は阿部さんの家は旧家で、昔ながらの茅葺き屋根。そろそろ新しい構造にしようと考えていたそうですが、これだけ興味をもってもらえるのであれば、「このまま残してみようかな」と思えるようになったとか。それがキッカケで、秋田県内に現存する茅葺きの家屋を調べてみたところ、(全県のデータがある)昭和62年当時で約400棟。その内260棟が羽後町にあり、田代地区は約半分の120棟余だったとか。現在でも80棟ほどが羽後町に、それも大半が田代地区に残っていることを知り、何とか「地域の資源として活かすことができないか」とアイデアを練っていました。
例えば、茅葺きができる職人は、3人一組が基本です。現在、県内にはこの職人グループは数組しかなく、町内で唯一の村上賢助さん(82歳・軽井沢)さんのグループは、湯沢雄勝・横手・由利本荘全域で仕事をしているほか、県北部にまで出張しているとか。
また、県内にある文化財クラスの古い民家の葺き替えには、青森や岩手、宮城の業者がやって来て仕事をしている状況で、職人が不足しているといいます。阿部さんはこうした現状を知るにつれ、「何んとか茅葺き職人の後継者を育てたい」として町議会の一般質問で取り上げ、当局に提案しています。これに対して大江尚征町長は、「担い手の育成のために、町も支援したい」と理解を示し、来年度からの事業計画が動き出しました。
by shouichiro_sato | 2009-01-05 23:47 | 産業振興 | Comments(0)