年の瀬
2008年 12月 27日
しかし今年の年末は、世界的な規模で急激に冷え込んだ景気の影響から、工場の操業停止や派遣社員などの非正規労働者の解雇が全国規模で拡がるなど、日本社会は未曾有の暴風雪にさらされています。日本人のみならず、外国からきて働いている人たちも住む場所を失ったり日常生活に困窮し、それが原因で無銭飲食や強盗などの犯罪も発生しています。
ニュースでは、年の瀬に仕事を求めて面接に通う人たちや、資金繰りで役所に相談する人たちなど、いつもの年とは違う様子を紹介していました。
それにしても、世界のトップと自負してきた自動車や電子機器の大企業が、膨大な内部留保資金を持ちながら、製品が売れなくなるとすぐに「契約解除で解雇」とは、あまりにも過酷です。労働者がいての企業であるはずなのに、働く人たちを機械か道具のように扱う姿勢には、納得できませんね。派遣社員業務の規制緩和をした時点で、不安定な雇用の事態は想定されたはずですから、こうした場合のセーフティーネットをしっかり整備するべきでした。政府は即急に関係する法律を整備し、(成立は先になるでしょうから)解雇の事案が発生したときに遡及して対応できるようにするべきであり、それを担保に生活資金を手当するなど、路頭に迷う労働者を救済しなければなりません。
こうした状況を受け、タクシー業界や警備保障会社、大手の居酒屋チェーンなどが、新たな雇用拡大に動き出したこと。地方自治体も臨時職員の雇用を計画していることなど、「まるで、くもの糸です」(求職中の人の話)と、光の差し込むニュースもありました。
秋田県でも離職者への技術研修サポート等の雇用対策や経営安定資金の融資枠拡大、公共事業の前倒しなど、120億円規模の追加経済対策を盛り込んだ一般会計補正予算案を編成し、1月中旬には臨時県議会を招集する予定です。
官公庁には例年より長い正月休みですが、こうした異常事態には休みを返上するぐらいの気概をもって、一日も早い政策の実行をお願いします。
《 カメラスケッチ ・ 特急寝台「あけぼの」 》

by shouichiro_sato | 2008-12-27 23:16 | 社会・話題 | Comments(0)