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WTO交渉

 スイスのジュネーブで行われている世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉の閣僚会議は大詰めを迎えています。日本はWTOの農業自由化交渉で関税削減ルールの例外として一定の保護が認められている農産品、いわゆる重要品目の数を全品目の8%とするように求めていましたが、実現は困難な状況で、「原則4%。低関税の輸入枠を増やす代償措置をとれば、最大で6%」になる可能性がほぼ確実になったと、報道されています。

WTO交渉_f0081443_22541940.jpg 日本は1332品目ある農産物の内、現在はコメ(17品目)、小麦(20品目)、大麦(12品目)、乳製品(47品目)、砂糖(56品目)、こんにゃく芋(1品目)、落花生(2品目)の合わせて155品目が重要品目となっています。この内、日本が求めている8%になれば101品目となり、6%なら80品目、4%なら53品目しか指定できませんから、除外される品目では大幅な関税削減が迫られるために輸入品が安くなり、国内の関係農家にとって大きな影響を受けることは必至です。(写真・今夜の「NHKニュース7」より)

 ただ、NHKニュースによれば、「発展途上国が農産物の輸入が急増した際に国内農業を保護するために高い関税をかけることができる措置について、発動の条件を厳しくして市場開放を迫る米国と、条件の緩和を求める中国とインドが鋭く対立した」ために、最終合意案の提示が見送られ、大詰めに来て交渉が難航している模様です。日本政府内部でも、高村外務大臣が「その中で日本は最大の国益を実現しなければならない」。鳩山法務大臣が「20年後、30年後に日本人が餓死してよいのか。食糧自給率がこれ以上低下していいのか」と述べるなど、意見が割れていますから、日本の農業をどうするのかという基本的な認識が定まっていません。

 年金問題や天下り・無駄遣いで国民の厳しい批判を浴びながら、追い討ちをかけるように原油価格の高騰が続き、国民生活のあらゆる分野に深刻な影響が出てきているというのに、有効な施策を打ち出せず、「国民の負託」に応えていない政治には(国民の)失望感が漂っています。その上、国際社会での日本の主張や存在は、中国やインドなどの発展途上国よりも軽くなってきているようで、ますます心配です。

 ところで、内閣改造をするのか、しないのか。官邸で記者のインタビューに答える福田首相の姿には国民生活の厳しさに対する誠実さが感じられず、首相特有の曖昧な言動がかえって政治不信を増幅させています。サミットが終わっても支持率回復の兆しは見えず・・・・、そろそろ限界?なのでしょうか。

by shouichiro_sato | 2008-07-30 00:02 | 国政・時事 | Comments(0)  

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