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美しい国づくり

 「これまで進めてきた美しい国づくりは、基本的には国民の理解を得られていると思う。その方向で進んでいくことが信頼回復につながる」(昨夜)。「衆議院の任期はまだ2年残っており、その中で実績を上げることが大切だ。しかるべき時に総選挙で政権の信を問うことになる」(きょうの午後)。ともに昨日の参院選で惨敗した自民党・安倍晋三首相の言葉です。

 「年金記録の不備」や「政治とカネ」、格差の拡大などの「強烈な逆風」が最後まで止まず、地方が中心の1人区で自民党は6勝23敗と大きく負け越し。秋田県選挙区でも、2期12年の経験と実績を前面に出して「秋田に役立つ人」を訴えた自民党の現職・金田勝年さんが、無所属の新人・松浦大悟さんに議席を奪われました。郵政解散で反対派に刺客を送るなど、「小泉劇場」に踊った総選挙で圧倒的多数を占めた自民党などの与党は、改革の名の下に進めた政策が格差問題となって国民生活を圧迫したり、強引な国会運営に見られる政治手法が国民に不信感を与えたりしたために、本来は自民党の金城湯池とされていた地方にも批判が鬱積していたのでしょう。

 公示前の党首討論で、「私と小沢・民主党代表、どちらが首相にふさわしいのか」と、大見得を切った安倍首相。国民の審判は「安倍」さんではありませんでしたが、きょう午後の記者会見では重ねて「続投」を表明。どうも安倍首相の判断は国民の意識とますます乖離していく印象を持たざるを得ませんでした。いずれ、解散総選挙は避けられません。秋の臨時国会で行き詰まり年内になるのか。それとも安倍首相が退陣して新しい内閣を発足し、予算成立後の来年春以降になるのか。「政権選択選挙ではない」と主張する自民党の考え方を国民が黙ってみているのか、当分は混迷が続きそうです。

 とても、「美しい国づくり」などと言っている場合ではなくなってきました。・

by shouichiro_sato | 2007-07-30 23:56 | 国政・時事 | Comments(0)  

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