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「核のごみ」最終処分場誘致を検討

 上小阿仁村の小林宏晨村長は23日、原子力発電所の使用済み核燃料の再処理で生ずる高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のごみ」)の最終処分場の誘致を検討していることを明らかにしました。候補地を公募している原子力発電環境整備機構(本部・東京)を年内にも訪れ、その可能性を探る方針だと、今朝の秋田魁新報は伝えています。

 自治体が応募すると、処分場建設地となる自治体と周辺自治体には文献調査の段階で年間10億円、概要調査で20億円が国から交付されるといいます。「誘致は村の財政再建のため。応募するかどうか、2年以内に決めたい」(小林村長)というものの、早くも寺田知事が「周辺市町村や県全体のことも考えて欲しい」と述べるなど、関係者からは戸惑いの声も聞かれます。

 全国的に見ても、今年1月に高知県東洋町の町長が応募したものの、住民の反対を受けて辞職。出直し町長選挙では反対派の候補が当選して、撤回したことがありました。小林村長は「あまりに反対が多ければ中止する」とはいうものの、過疎と少子高齢化が急速に進む村として、財源確保のために模索された「苦肉の策」とも受け取れますが、あまりにも大きな国家プロジェクトへの挑戦だけに、これからの動向が気になります。

 日本では毎日使われる電気の約3分の1が原子力発電によるものであり、エネルギーの安定供給や地球温暖化防止のためには欠かすことの出来ない存在ではあります。しかし、その廃棄物の処理については、まだまだ国民の理解を得る段階に到達していません。万全だったはずの地震対策も、今回の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が大きな被害を受けたように、見直しの必要性が明らかになってきました。どんな場合でも「想定外」はありうることですので、村当局には慎重に検討してもらいたいと思います。

by shouichiro_sato | 2007-07-24 22:49 | 国政・時事 | Comments(0)  

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