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「NOVA」よ、お前もか

 「駅前留学」などのCMでおなじみの英会話学校最大手、「NOVA」に数々の違法行為があったとして経済産業省は13日、業務の一部を6ヶ月間停止する厳しい処分を行ないました。全国展開で急成長してきたNOVAでしたが、介護事業で問題となった「コムスン」同様、顧客をないがしろにした企業倫理の欠如がありました。

 違反していた事項は、「契約後8日以内なら無条件で解約できるクリーンオフ制度に応じていない」「(いつでも受け付けるとした)レッスンの予約がなかなか取れない」など、特定商取引法の条文6項目、18種類にわたっていました。その中には「NOVA KIDS」や「お茶の間留学」といった人気のサービスも含まれており、受講者を騙して規模拡大ばかりに経営姿勢が向いていたことが明らかになりました。全国の消費者相談センターなどへの苦情もダントツで、特に東京都では5年前に行政指導を行い業務改善報告を求めていたにも拘らず、改善するどころか本部が苦情に対応するマニュアルを作って、会社ぐるみで組織的に違反行為を繰り返していたといいますから、悪質です。

 ただ、NOVAのホームページを開くと「お詫びとご報告・NOVAははこれを機に生まれ変わろうとしています」(写真)「NOVA」よ、お前もか_f0081443_21551518.jpg 「NOVAは、今、本気で変わろうとしています」のタイトルで、「レッスンの手引き」の説明の徹底や予約制の適切な説明の再徹底など、29項目の改善事項を報告しています。国際化時代にあって多くの人材を輩出して国際貢献と国際交流に努めてきた実績があるだけに、「『ひとりでも多くの皆様に、ハイクオリテーなレッスンを、低価格で提供したい』という創業の理念は、今後も変わることはありません」と言う言葉に期待したいと思います。
 
 しかしながら、経済産業省の調査では外国語会話教室の新規入学者数は3年連続で前年割れが続いており、主流の英会話も減少が止まらないとか。さらにこれからの少子化時代を考えると(受講者の中心である)若い世代の獲得も容易ではなく、経営環境は厳しくなると予想されますから、質より量に走ったNOVAの経営がどうなるのか、今いる45万人もの受講者の今後のレッスンが保証されるのか、チョッと気になります。

by shouichiro_sato | 2007-06-18 22:43 | 社会・話題 | Comments(0)  

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