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「年金不信」、さらに拡大

 5000万件もの年金記録が宙に浮いている問題が発覚し、国民の政治不信が急速に高まっている中で、政府の対応も混乱しています。休日返上で相談業務を開始した早々にオンラインシステムに障害が発生したり、フリーダイヤルで24時間受け付けるとした電話相談も通話が殺到してつながらない状態。さらに、毎日のように新たな記録の不備や課題が噴出するなど、先が見えない異常事態に陥っており、「これでは参議院議員選挙は戦えない」という悲鳴まで聞こえてきました。

 私の手元にも「あなたの年金記録をもう一度チェックさせて下さい」という厚生労働省と社会保険庁が配布したチラシがあります(たぶん、村瀬清司・社保庁長官らが配ったものと同じでしょう)。(写真)
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 この中にも慌てている当局の姿勢が現れています。「お客様からのお問い合わせには真摯に対応します」の案内では、フリーダイヤルの電話相談を6月25日から予定して印刷したものの、11日に訂正しています。また同サービスの電話番号0120-657830について、語呂合わせで「ロウゴナヤミゼロ」と書かれていますが、これはその後「不謹慎だ」として世論の批判を浴び、封印されたとか。統合されていない年金記録の保管状況についても、全国の市町村のほぼ1割の自治体では廃棄処分にされている模様です。

 政府はきょう、総務省に設置した「年金記録問題検証委員会」の初会合を開き、問題が発生した経緯や原因究明、責任の所在について明らかにする作業を開始しました。さらに納付記録がない場合の年金支給の可否を判断する第三者委員会も、近日中に同省に設置されます。

 安倍首相は14日の参院厚生労働委員会で、「こつこつ払った方が絶対に損にならないよう、最後の一人まで徹底的にチェックし、全ての年金を支払うことを約束する」と強調しました。当然そうあるべきですが、「本当にできるのか?」という根強い不信感があるのも現実です。政府の方針を信じることができるのか。実際の作業に当たる社保庁職員は、この崖っぷちから信頼回復に立ち向かう気力と情熱を持って仕事に取り組めるのか。安倍首相がいくら答弁に頑張っても、私は「さらに不信感が拡大している」と感じます。 

by shouichiro_sato | 2007-06-14 21:52 | 国政・時事 | Comments(0)  

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