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知事の辞職に思うこと

 「改革派」といわれた和歌山県の木村良樹知事(54歳)が2日、辞意を表明しました。県発注のトンネル工事などをめぐる談合事件で責任をとったものですが、旧自治省出身のエリート官僚で、入札制度の改革や世界遺産を保存活用する条例制定など、常に「全国初」をめざしてきた知事だけに、何か釈然としない結末です。

 一方、10月30日には岩手県の増田寛也知事が来春の知事選挙に出馬しないことを表明しました。増田氏は現在3期目で54歳。確かに多選の弊害も議論されていますが、全国知事会会長選挙に立候補するなど、年齢的にも今後の活躍が期待される地方のトップリーダーだっただけに惜しまれます。記者会見では「当初から3期までと決めていた」と発言していました。しかし私には、これもスッキリしない幕引きに感じます。

 どんな職務であれ、それに向かって邁進する時は輝いているものですが、引き際は難しいといわれます。「後ろ髪を引かれながら」いやいやその職を去る人。意欲はあっても再選が厳しいと判断してやめる人。自分にその気が無くとも敗戦覚悟でやらざるを得ない人、など様々です。

 増田知事は「国政への転身はない」と明言しましたが、「潔い判断」と思う半面、54歳で職務に区切りをつける以上は次の目標を語ってほしいと思いました。東京都出身ながら3期12年間、岩手県の発展に寄与してきた自負があるとすれば、自分のこれからの夢を語らずに岩手を去るのは残念です。選挙の当落は別として、こうした増田知事の言動も物足りない感じです。

 「惜しまれながら去ることが美徳」という人もいますが、結局は自分本位の考え方に過ぎません。私は、政治家は自分の信念に基づいて最後まで闘ってほしいと思います。でなければ、給与をいただく公務員と何ら代わらない存在になってしまうと思うのですが、どうでしょう?。

by shouichiro_sato | 2006-11-03 21:48 | 国政・時事 | Comments(0)  

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