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ちょっと虫のいい話ですネ

 「冗談じゃない」というのが、本音でしょう。

 東北農政局では人件費の削減のために、30~40代の職員を毎年100人程度づつ配置転換する方針を固め、県や市町村に受け入れを求めていることが報道されています。事実、秋田県内でも昨日までに、県と大潟村を除く13市・11町村にお願いした模様です。

 国も地方自治体も財政再建は至上命題で待ったなしの状況。三位一体改革の方針のもとに、地方交付税や補助金を大幅に削減されてきた地方では、ほとんどの自治体がいち早く行財政改革に取り組み、職員定数や給与の見直し等を実施してきました。さらには究極の対策として市町村合併を決断するなど、国に先行して改革を実施してきた経緯があります。

 ところが国は、大学や中央官庁の外郭団体等を独立行政法人などに変えて、表面上は公務員の削減を図ったようにしましたが、肝心の(身内の)国家公務員には手ぬるい対応でした。しかし政府は今年6月、経済財政諮問会議の意見を基に削減計画案をまとめ、今後5年間で5%以上の純減を目指す具体的な方針を閣議決定しました。その結果、最初の対象となったのが、行政需要が低下した業務と判断された農水省の農林統計と食糧管理、それに北海道開発庁の三部門です。この部署では定員オーバーとなる2900人余りを配置転換し、新規採用も抑制するということです。

 秋田農政事務所でも所長自身が市町村を訪問し、「専門的な人材が役立つのでは」と中堅職員の受け入れを要請したわけですが、反応は厳しかったとか。確かに、せっかく国家公務員になったのに、働き盛りで配置転換を求められている皆さんには気の毒です。同情の念も禁じえません。しかし現実には、効率的な行財政運営を目指している市町村に、そうした余裕などあるはずがありません。「国で余っているから地方自治体が受けてくれ」とは、虫のいい話です。町村の関係者も「その感覚と発想が理解できない」と語っておりました。私もそう思います。

 むしろここは、農政局での専門的な知識や技術を生かして農業・農村の再生を図るため、皆さんには農業の現場で活躍してもらいたいものです。元来、その分野の公務員には農家や地方の出身者も多いことですし、政府の「国家公務員雇用調整本部」が進める職務研修に、農業実務研修を導入してもらい、農村に優れた人材を配置して担い手不足を解消し、農地の荒廃も防止するというのはいかがでしょうか。 農業でも国家公務員並みの所得が確保できれば、明るい展望も開けるというものです。

by shouichiro_sato | 2006-09-12 23:33 | 国政・時事 | Comments(0)  

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