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進化する大曲農業高校

 10日の午後、県立大曲農業高校農友会館で農友会(同窓会、会長・小西省吾さん 元仙北町長)の平成18年度理事会・評議員会が開かれました。今年で創立114年目となる「大農」は、この春の卒業生を加えると農友会員数(同窓生)は実に2万8千名を超える、県内でも希な伝統と歴史ある学校です。それ故に、農友会役員は県内各地で活躍しているリーダーや実践者が多く、年に一度の会合を私は楽しみにしています。

 しかしながら、如何に伝統ある学校とはいえ、少子化や大学進学率の向上、職業教育の多様化に対応せざるを得ない状況にあり、校舎の改築計画の進展とあわせて、「特色ある学校づくり将来構想検討委員会」が設置されて、新しいコンセプトに基づく学校づくりが検討されています。本県の農業教育の中心校である「大農」の将来構想を確立することは、秋田県農業の進むべき道筋を描くことでもあり、注目されます。ただ、たたき台となる新生大農プラン(基本構想の骨格)によると、目指す生徒像は「地域を担う、骨太な生徒」の育成とのことですから、校是である「自彊息まざる」の気概で厳しい現実に立ち向かっていく大農精神は不変のものと思います。

 来年の秋田国体・ハンドボール少年女子の会場となる新体育館もまもなく竣工します。会議終了後、木の香りが漂うアリーナを見学し、35年ぶりに校地内を散策してみました。畜舎や実習棟もかつての場所から移転し、以前の面影も少なくなっていましたが、大きな柳の並木や大樹の生い茂る庭の一角に苔むした古い校門があるなど、懐かしく、そして嬉しくなりました。建物はいずれ改築したりしてその形を変えていきますが、樹木や碑は時間が立つにつれ存在感を増していきます。集まった役員の皆さんも、同じ想いで「ここで何をした」「この場所に何があった」と、青春時代にタイムスリップしていました。

 そしてこのたび、大農は農業クラブの生徒たちと話し合い「ECOスクール宣言」をしました。
 「私たちは高校生活を楽しみながら、動植物を慈しむ心、食料を大切にする心、農業の持つ癒しの力を追求します。そして、よりよい環境の実現に努め、勇気を持って地域社会に飛び出し伝達する、独創的でただ一つの ECOスクール を皆の力で創造します。」というもので、 EはEnjoy CはCommunication OはOriginalのそれぞれ頭文字からつくったECOですが、Enjoyが最初にくるところが現代的でおもしろい発想です。伝統もまた、進化するものだと思った次第です。

by shouichiro_sato | 2006-06-11 00:07 | 今日の出来事 | Comments(0)  

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