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田中文科相

 田中真紀子文部科学大臣の「不認可」発言から6日目、大臣の言動は迷走したものの、秋田公立美術大学など3校の来春開学が認められることになりました。

 「短大から4年制大学にすることは認められない」と発言したのは、2日の閣議後の(ぶら下がりの)記者会見。それを受けて文科省の板東久美子高等教育局長は、秋田市などの申請者に「認可できない」と伝えています。

 これに対して、既に文科省の指導に基づいて校舎建設や教授陣の確保、受験生の募集を準備していた3校の関係者は猛反発。マスコミや関係自治体、政党からも「唐突な大臣の決定」に批判が集中。3校の関係者らは各政党や文科省に「不認可の撤回と即時認可」を求める要請を行うことや、受け入れられない場合は訴訟も検討することを確認しています。

 そうした中で文科省は6日、「(板東局長は)認可できないとは伝えたが、不認可という処分はしていない」と、奇妙な説明を開始。さらに田中大臣が「近く(新しい大学設置認可の)検討会議を立ち上げ、新基準を設ける。3大学はこれに照らして審査する」と表明して、収拾をはかろうとしました。

 しかし、批判は与党民主党にも拡がり、7日の衆院文部科学委員会で田中大臣は「不認可処分はしていない。3校も世間も誤解している」と弁明。板東局長も「大臣の答弁と異なる部分があったとすれば私の責任」と泥をかぶる役割に。結局、終了間際に発言を求められた田中大臣は「本委員会の審議や諸般の事情も鑑み、現行制度にのっとり適切に対応する」との答弁書を読み上げました。

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  (写真・二転三転した大学新設不認可の問題は、連日「秋田魁新報」の1面トップに)

 政務3役や文科省幹部も知らされていなかった田中大臣の唐突な「不認可」発言。混乱を引き起こしたばかりか、政治への信頼を失墜する結末となりました。

 それでも強がるのが田中大臣。委員会終了後には「圧力に屈した訳ではない。(大学設置の在り方など)役所主導を変えるのは大変なエネルギーがいる」と役所へ責任転嫁?するような発言。混乱を招いた反省や謝罪の言葉はなく、強張った笑顔?を見せていました。

 一連の顛末に野党からは「説明責任も果たしていない文科相を罷免すべきだ」との声も上がっていますが、藤村修官房長官は8日、「大学設置に関する審議会を見直す方向づけが行われた意味は大きい。大臣として間違ったことをしたとは誰も受け止めないと思う」と擁護。責任問題に発展しないよう、防波堤を築こうとしています。しかしながら、「田中大臣は心配だ」と思っている国民は多いことでしょうし、官房長官の本心も同じではありませんか・・・?。

 尚、板東局長は(寺田典城知事当時の)元秋田県副知事。久しぶりにテレビで拝見しましたが、「暴走大臣」の下では何かと気苦労が多いことでしょう。ご苦労様です。

by shouichiro_sato | 2012-11-08 22:20 | 国政・時事 | Comments(0)  

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