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新県立美術館

 県立美術館の移転計画に新たな問題がでてきました。秋田市の日赤・婦人会館跡地で計画されている再開発事業の当初計画では、事業者の再開発組合から約20億円で県が取得し、その財源には跡地内の県有地を同じ価格で売り渡す。即ち、県の財政負担なしで建設するという「甘い話」で、展示品を所有する財団法人・平野政吉美術館が同意(確か、理事会は1票差の多数決)していました。

 ところが、県有地の土地鑑定評価額が下落しており、その差額である県の負担額が9億2000万円になることが、昨日の県議会建設交通委員会で明らかになりました。さらに、新美術館の管理運営費は現行より1800万円多くなり、年間で約7000万円と試算されています。

 この状況に同財団理事長である大野忠右ェ門県議会議員は、「個人的には移転に反対の立場だった。これだけの費用負担が生じるのなら、今の建物を耐震補強してリニューアルすることも可能ではないか」(秋田魁新報の記事)。きょうの委員会審議でも、新築移転が決まる経緯などに不透明さを指摘する声が相次ぎ、県が10日にあらためて説明することになったとか・・。

 移転計画が決まったのは寺田知事と佐竹・秋田市長の時でしたが、当時より財政事情は厳しくなるばかりで、いまだに市民からも再考を求める声があり、(市民団体からは)佐竹知事へ質問状も出されています。同財団の理事会でも県が提示した耐震補強工事が多額になることが、「移転やむなし」の判断になったことは知られていますから、前提条件が全く違ってきたことになります。

 再開発等に対する国の補助事業の行方も政権交代したことで見通しが定まらず、他都市の同種の事業では経営破綻などの問題も起きています。やっぱり、このまま進めることはさらに大きな荷物(課題)を背負うことになりそうです。こうしたことこそ「事業仕分け」で論じる必要がありますが、仕分け人の手を借りなくても県議会がしっかり判断することを期待しています。

by shouichiro_sato | 2009-12-08 22:03 | 秋田県 | Comments(0)  

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